予防接種
1予防接種とは
こどもに感染させてはいけない感染症はたくさんあります。
麻しん(はしか)は感染したこども1000人に一人が死亡する感染症です。治癒したあと数年して致死性の脳炎(亜急性壊死性全脳炎)を起こすこともあり、実際研修医時代に患者さんを経験しました。今は麻しんワクチンにより死亡例どころか患者さん自体見かけなくなりました。
ロタウィルス胃腸炎は10数年前は脱水を起こした乳児が多数入院していました。ロタウィルスワクチン開始によりロタ胃腸炎自体見かけなくなりました。
ヒブ(Hib:b型インフルエンザ菌)による細菌性髄膜炎で、以前は国内で毎年600人の乳幼児が生死を彷徨っていました。研修医時代にみたヒブ髄膜炎の患者さんは、命は助かりましたが聴覚を失いました。当時海外では既にヒブワクチンが導入されており、もっと早くヒブワクチンを導入していれば防げたのにと思いました。ヒブワクチン接種が開始された現在、ヒブによる細菌性髄膜炎は国内から消滅しました。
ワクチンにより感染症をみかけなくなると、ワクチンの恩恵は見えなくなります。
でもその感染症のこどもを診察してきた医師からすれば、こどもにとってワクチンがいかに重要かは時系列で実感しています。ワクチン接種しなければ元の状況に戻ります。
予防接種はこどもたちを感染症から予防するために欠かせません。
またみんなで予防接種をすることで、周りのお友達や、感染してはいけない基礎疾患ある人への感染予防にもつながります。
当院では積極的な予防接種を推進しています。
2当院の予防接種外来
平日午後、日曜午後が予防接種専用外来の時間帯です。ウェブにてご予約ください。
予防接種専用外来以外の一般診察時間(平日のみ、午前/午後)でも予防接種は可能(要電話予約)です。ただし感染症の患者さんと同じ待合室なため、予防接種専用外来での接種をお勧めします。
予防接種の際に必要なもの
・母子手帳
・保険証
・予診票(定期接種)
・乳幼児福祉医療券(まる福)
・診察券
予防接種が受けられないケース
・当日、前日37.5度以上の発熱あり
・予診票(定期接種)を忘れた
(1〜2週間以内に感染症罹患の方は、受診前に電話にてご確認ください)
KNOW VPD(VPDを知って子どもを守ろう)
3自費接種料金
・秋田県広域予防接種事業;秋田県内在住者は住民登録の自治体以外でも定期予防接種が受けられます。
・定期接種は無料ですが、対象年齢を過ぎると自費接種になります。
・任意接種のうち自治体によっては助成金のあるワクチンもあります。
由利本荘市 | おたふくワクチン 2回接種(1歳、年長) 助成額 4,000円/回 |
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にかほ市 | おたふくワクチン 2回接種(1歳、年長) 助成額 7,500円/回 |
・各ワクチン自費接種料金(税込)::当院における任意接種、定期接種(対象年齢外)の自費接種料金です。
ロタリックス | 9,000円 |
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ロタテック | 6,000円 |
ヒブ | 8,500円 |
肺炎球菌 | 11,000円 |
四種混合 | 10,000円 |
B型肝炎 | 6,000円 |
BCG | 7,000円 |
MR | 9,000円 |
水痘 | 8,000円 |
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おたふく | 6,500円 |
日本脳炎 | 7,000円 |
二種混合 | 4,000円 |
ガーダシル | 16,000円 |
シルガード | 26,000円 |
狂犬病 | 11,000円 |
A型肝炎 | 7,000円 |
よくある質問
予防接種の際に必要なものは?
母子手帳/予診票(定期予防接種の方)/マイナンバーカード/保険証/まる福/当院診察券 が必要です。
予防接種専用外来はいつですか?
平日午後(月/水は14時~15時、木/金は14時~15時30分)と日曜午後(14時~16時)です。ネットでの予約をお願いします。平日の一般診察時間内(ただし17時まで。土日は不可)でも接種は可能です。 かぜ症状の患者さんと一緒の待機となるため、予防接種専用外来での接種をお勧めします。
予防接種をキャンセルしたいのですがどうしたらいいですか?
接種日の2日前まででしたら、ネットでキャンセルが可能です。 前日/当日キャンセルは、電話にてご連絡ください。 前日/当日キャンセルは準備したワクチンの廃棄につながります。急な発熱などやむを得ない場合に限りますようお願いいたします。
一般診察時間でも予防接種はできますか?
平日の一般診察時間内(ただし17時まで。土日は不可)でも予防接種は可能です。ただし予約が必要です。 かぜ症状の患者さんと一緒の待機となるため、予防接種専用外来での接種をお勧めします。 注)インフルエンザワクチンシーズン(10月~1月)は一般診察時間での予防接種は行なっておりません。
同時接種は問題ありませんか?
問題ありません。接種本数、ワクチン種類に関係なく全てのワクチンで同時接種が可能です。 通常生後2ヶ月の赤ちゃんは3~4本(両腕、各2本ずつ)、1歳のお子さんは4~5本(両腕、太もも)に同時接種しています。
接種当日かぜ症状(せき、はな、下痢など)がありますが接種できますか?
発熱(37.5度以上)時は接種できませんが、軽いかぜ症状(せき、はな、下痢)なら接種は可能です。 診察所見によってはお断りする場合もあるのでご了承ください。
感染症が治った後はどれくらいで予防接種できますか?
水痘、おたふくは治って2週間程度あけて接種しましょう。 その他の診断名のつくウィルス感染症(手足口病、ヘルパンギーナ、突発性発疹、りんご病、胃腸炎など)は治って1週間程度あけて接種しましょう。 発熱時は解熱後2日あけて接種しましょう。 ただしこれらはあくまでガイドライン上の対応であり、特別な事情ある場合はご相談ください。
予防接種後は30分は院内待機必要ですか?
接種後30分はすぐに来院できる場所で待機してください。
予防接種当日の風呂は?、運動は?
接種後2時間以内は副反応がでる可能性があり運動は控えてください。 入浴は問題ありません。
予防接種後に熱がでたらどうしたらいいですか?
予防接種後に熱を上げることはあります。 特に乳児期に接種する肺炎球菌ワクチンは発熱しやすく、約10%は接種当日あるいは翌日に39度前後の熱が1日程度続きます。発熱しても元気そうなら経過観察でいいでしょう。具合が悪い、発熱が2日以上続く場合は受診しましょう。
インフルエンザワクチンは何歳から接種できますか?
生後6ヶ月から接種可能です。
卵アレルギーがありますが、インフルエンザワクチンの接種はできますか?
卵アレルギーがあってもワクチン接種(インフルエンザワクチン含む)可能です。 ただし以前ワクチン接種でアナフィラキシーを起こしたことのあるお子さんは同じワクチン接種はできません。