こどもに感染させてはいけない感染症はたくさんあります。
麻しん(はしか)は感染したこども1000人に一人が死亡する感染症です。治癒したあと数年して致死性の脳炎(亜急性壊死性全脳炎)を起こすこともあり、実際研修医時代に患者さんを経験しました。今は麻しんワクチンにより死亡例どころか患者さん自体見かけなくなりました。
ロタウィルス胃腸炎は10数年前は脱水を起こした乳児が多数入院していました。ロタウィルスワクチン開始によりロタ胃腸炎自体見かけなくなりました。
ヒブ(Hib:b型インフルエンザ菌)による細菌性髄膜炎で、以前は国内で毎年600人の乳幼児が生死を彷徨っていました。研修医時代にみたヒブ髄膜炎の患者さんは、命は助かりましたが聴覚を失いました。当時海外では既にヒブワクチンが導入されており、もっと早くヒブワクチンを導入していれば防げたのにと思いました。ヒブワクチン接種が開始された現在、ヒブによる細菌性髄膜炎は国内から消滅しました。
ワクチンにより感染症をみかけなくなると、ワクチンの恩恵は見えなくなります。
でもその感染症のこどもを診察してきた医師からすれば、こどもにとってワクチンがいかに重要かは時系列で実感しています。ワクチン接種しなければ元の状況に戻ります。
予防接種はこどもたちを感染症から予防するために欠かせません。
またみんなで予防接種をすることで、周りのお友達や、感染してはいけない基礎疾患ある人への感染予防にもつながります。
当院では積極的な予防接種を推進しています。